EzCatDB:酵素触媒機構データベース・チュートリアル(日本語) by 長野希美 EzCatDB

酵素触媒機構データベース EzCatDB

EzCatDB データベースについて

EzCatDBデータベースでは、酵素立体構造情報、文献情報などに基いて、酵素触媒機構を階層的に分類しています。各酵素エントリーには、酵素番号(EC number)、PDBエントリー、触媒部位、リガンド情報や文献情報、触媒機構に関する情報、他のデータベース(UniProtKB, CATH, KEGG, PDBsum, PubMed, CSA & MACiE)へのリンクがはられています。

関連文献・著作物

下記の文献を引用して下さい。
  • Nagano N., Nakayama N., Ikeda K., Fukuie M., Yokota K., Doi T., Kato T., Tomii K. (2015) "EzCatDB: the enzyme reaction database, 2015 update." Nucleic Acids Research, 43, D453-458.
  • Nozomi Nagano, Tamotsu Noguchi, Yutaka Akiyama (2007) "Systematic Comparison of Catalytic Mechanisms of Hydrolysis and Transfer Reactions Classified in the EzCatDB Database." PROTEINS: Structure, Function, and Bioinformatics. 66, 147-159.
  • Nagano N., Nakagawa Z., Arita M., Tsukamoto K., Noguchi T. (2007) "EzCatDB" Nucleic Acids Research, Molecular Biology Database Collection entry number 613.
    Nucleic Acids Research, Molecular Biology Database on-line compilation 2005, 6.1. Enzymes and Enzyme Nomenclature, 613.
  • Nozomi Nagano (2005) "EzCatDB: The Enzyme Catalytic-Mechanism Database." Nucleic Acids Research, 33, Database Issue, D407-D412.
  • 長野希美 「酵素触媒機構データベース EzCatDB」 バイオテクノロジージャーナル (2006) Vol.6, No.4,(7|8月号) p.437-439 (羊土社)
  • 長野希美 「EzCatDB(酵素触媒機構データベースの開発)」CBRC News Letter No.9, p.3
  • 長野希美 「酵素触媒機構データベース:EzCatDB - 酵素触媒機構の理解から創薬へ」AIST today (2005) vol.5, No.3, p.37

    EzCatDBの主要な特徴

    検索ページ

    EC番号(酵素番号)、UniProtKBのaccession id、PDBのid、CATH番号(スーパーファミリー)、文献情報、化合物情報など様々なキーにして、検索を行えます。

    RLCP 分類について

    触媒機構の階層的分類、RLCP: これは、上記のEzCatDBの一部で、触媒機構を4つの階層に分類するという新しい試みです。従来の酵素番号と異なり、蛋白質の情報、触媒反応機構に関する情報を取り入れています。
  • R: 基本反応(Basic Reaction),
  • L: 触媒反応に関与するリガンドの部位(Ligand group involved in catalysis),
  • C: 触媒機構の種類(Catalysis type)
  • P: 蛋白質上の触媒残基/補酵素(Residues/cofactors located on Proteins).
    "基本反応" は、加水分解、加リン酸分解、転移反応といった反応で、酵素番号の第1階層と相関があります。第2階層(L)は、リガンドの反応部位です。第3階層(C)では、補酵素、求核基、塩基、酸といった触媒基に関する情報やSN1反応、SN2反応といった求核反応の種類などを考慮して系統的に酵素触媒機構を分類しています。最下層(P)では、酵素の触媒部位を分類しています。

    化合物のアノテーション表

    各PDBにに対して、結合している化合物が、どのリガンド化合物の種類(補酵素、基質、産物)に対応しているか、また対応する化合物の類似化合物(アナログ化合物)をアノテーションし、表にしています。また、中間体や遷移状態の解析も行っています。こうした化合物情報は、触媒機構を類推するのに重要です。

    CatDom:酵素触媒ドメイン

    このページは、EzCatDBエントリーに含まれる触媒ドメインの構造分類をしています。これらの立体構造分類は、 ロンドン大学のOrengo教授によるCATH 構造分類データベースに基いています。このデータベースでは、蛋白質ドメインを4階層(クラス(C), アーキテクチュア(A), トポロジー(T) & 同族スーパーファミリー(H))に分類しています。

    リンク

    PDB: Protein Data Bank. (蛋白質立体構造データベース;PDB)。
    UniProtKB: 蛋白質配列の知識データベース(欧州バイオインフォマティクス研究所)。
    KEGG: 京都大学化学研究所による酵素および化合物データベース。
    CATH: 蛋白質立体構造の階層分類データベース(ロンドン大学)。
    PDBsum: PDB データの要旨データベース(欧州バイオインフォマティクス研究所)
    PDBj: 大阪大学蛋白質研究所によるProtein Data Bank Japan (PDBj)。
    PubMed: オンライン文献データベース(米国 NCBI)。
    Catalytic Site Atlas (CSA): 酵素触媒残基データベース(欧州バイオインフォマティクス研究所)。
    MACiE: 酵素反応データベース(欧州バイオインフォマティクス研究所)。

    新規リンク (2016年4月〜)
    蛋白質関連データベース
    Pfam: 蛋白質ファミリー・データベース(欧州バイオインフォマティクス研究所)。
    RefSeq: NCBI リファレンス配列データベース。
    MEROPS: ペプチダーゼ・データベース。
    CAZy: 糖類関連酵素データベース。
    ESTHER: α/β-加水分解酵素スーパーファミリー・データベース(フランス国立農学研究所 (Inra))。

    PoSSuM: ポケット類似性探索(産総研)

    化合物関連データベース
    PubChem: NCBI 化合物データベース。
    ChEBI: 化合物データベース(欧州バイオインフォマティクス研究所)。

  • 科学技術振興機構(JST)さきがけ(PRESTO)による助成:(2001年12月 〜 2004年1月)
    独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金、研究成果公開促進費による助成:(2005年4月 〜 2006年3月)
    独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金、基盤研究(B)による助成:(2005年4月 〜 2008年3月)
    科学技術振興機構(JST)バイオインフォマティクス推進事業(BIRD)による助成:(2005年9月 〜2008年9月)
    科学技術振興機構(JST)バイオインフォマティクス推進事業(BIRD)による助成:(2007年10月 〜2010年9月)
    独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金、研究成果公開促進費による助成:(2011年4月 〜 2012年3月)
    独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金、研究成果公開促進費による助成:(2012年4月 〜 2013年3月)
    経済産業省(METI)による「革新的バイオマテリアル実現のための高機能化ゲノムデザイン技術開発」研究委託: (2012年10月 〜 2016年3月)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の業務委託:(2016年4月 〜 2020年2月)

    Copyright: : 長野 希美, 科学技術振興機構(JST) & 産業技術総合研究所(AIST)